エリート上司に翻弄されてます!
乾先輩は宮根さんが向こうを向いたのを見ると顔を近付ける。
「また日高に怒られたの?」
「う、でも私のミスだったので」
「んー、後輩に優しくないのはいただけないな。アイツも俺を見習って貰わないと」
「ソウデスネー」
付き合っていることを公表してから、彼は職場でも私のことを名前で呼ぶようになった。
初めの頃は恥ずかしすぎて本当にやめてほしいと思っていたけど、周りも慣れたのか突っ込まれることもなくなり、私も仕方がなく付き合っている。
勿論ちゃんとした場だと苗字で呼ばれる。
乾先輩のせいで家と会社の見極めが出来なくなってきた。
私がふうと溜息を吐くと彼が私の頭に手を伸ばした。
「帰りご飯食べて帰ろっか?」
「っ……本当ですか!?」
「おう、だから仕事頑張れよ」
そう言うと乾先輩は私の頭をゴシゴシと撫でて「じゃあな」と部署を出て行ってしまった。
最近乾先輩は営業の方が多くなってしまって職場にいることは少なくなった。
それだけ彼がエリート街道を突っ走っているということなんだけど、久々に帰ってきてくれるとやっぱり嬉しい。
毎日家で会ってはいるんだけど。
「(仕事終わったら先輩とご飯だ!)」
それだけで全然頑張れそうだ。