エリート上司に翻弄されてます!
驚いて聞き返すと「あぁ」と彼は微笑んだ。
私が乾先輩以上に努力をしている?そんな自覚全然なかった。
しかし彼は昔を懐かしむように話を続けた。
「入社してきた頃の深桜ちゃんはさ、真面目そうな子だなーとは思ったけどそこまで仕事が出来る感じでもなかった」
「っ……」
「でもがむしゃらに頑張っていたのを見て惹かれたし、会社のためにって努力してるのを俺は1番近くで見てたから」
確か、私の教育担当は乾先輩だった。
あの頃は早く仕事に慣れようと必死で彼の言うことをついていっていたけど、彼がそんな目で私を見ているなんて気付きもしなかった。
「あれは深桜ちゃんが入社して1年くらいした頃かな?働きすぎて一回倒れたの覚えてる?」
「え、そんなことありましたっけ?」
「あったの、それでもうパニックになっちゃって」
休養室に運んだんだけど、と言われて私はハッとその時のことを思い出した。
だから私がこの前に倒れた時に休養室の景色に見覚えがあったのか。
「俺が休養室に見舞いに行ったら深桜ちゃん寝てて、そしたら寝言言っててさ。それが笑えるんだけど」
「え、何ですか!?」
「『はい分かりました!』とか『任せてください!』とか。そんな夢でも魘されるほど仕事したいのかって」
「っ……」
何だそれ、恥ずかしすぎる。そして私全然覚えてないし。