エリート上司に翻弄されてます!
「何それ、酷くない?悪口じゃん」
「……別にいいじゃないですか、先輩も楽しそうにしてたし」
「俺?俺がいつ楽しいって言ったの?」
「……」
その言葉の意味を理解するのに時間が掛かった。
え?、と彼の顔を見ると乾先輩の表情はいつもよりも真剣だったために息を飲む。
「俺、楽しそうだった?」
「だったって、笑ってたじゃないですか」
「……」
「いつも通りじゃないです、か?」
私がそう言うと暫くしてから彼は小さく「分かってない」と呟いた。
分かってない、というのはどういう意味なのかを考えているとそれより先に先輩が話し出した。
「深桜ちゃんさ、」
「……だから」
その名前を、と注意しようとしたその時、向こうから「乾さーん」と声が聞こえてきた。
慌てて振り返るとそこにはハーレムの中の1人の女性が立っていた。
2人で話しているところを見られたことに焦って私は「じゃあこれで!」と慌ただしく彼女の隣を抜けて元の場所へと向かう。
その途中で彼女と目が合ったけど思いっきり睨まれていてひいっと声を上げそうになる。
話しているだけでアレとか、もう同居してることがバレたら本当に殺されかねない。
ていうかさっき乾先輩が私の名前呼んだの聞かれてないよね?
それよりも、乾先輩はなんて私に言うつもりだったんだろう。