そこにいた

一晩中眠れなかったからか、傷口を治す時に軽く麻酔をしただけでぐっすり寝てしまった。





内科に戻ってすぐだけど、もう食事が始まるみたい。





だけど、あんまり食欲がない。





この手術さえなければ、いつものように今頃病院を抜け出していたかも知れない。




あの時は眠くてあまり考えなかったけど、あの時の亮先生の言葉……。




まだ耳から離れない。





「大事な存在」





微妙に気になってしまう。





だけど反発する精神は変わらない。





今でも移植手術を勝手にしたことは、許せない。




……と色々考えていたけど……。





体はとても弱っているようで。




……疲れてきた。





心も体もボロボロだよ。


< 50 / 197 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop