かわいいあなたにマフラーを
「愛ちゃんだよ、桃瀬愛ちゃん。彼女と別れた。

振られたんだよね、俺」

恋人とクリスマス、憧れてたんだけどな、はは……。
と、情けなく笑って、がっくりと頭を垂れる緑木。
こんなイケメンも、振られることってあるんだな。

「初めての彼女で浮かれてたんだけど、俺、知らず知らずの内に彼女を傷つけてたみたいで。
ま、自業自得だよ。

笹野、今度話し聞いてくれよな」

「あ、あぁ……」

緑木の話しを聞きながら、俺は静谷のことを考えていた。
俺も、彼女を傷つけたってことだよな? 昨日。
たとえそれが自分の意思じゃなかったとしても。

携帯を取り出してメッセージを確認するも、やっぱり未読状態で、俺の謝罪と説明は、まだ読んでもらえていなかった。
再度俺の気持ちを打ち込んで、メッセージを送信して携帯をしまう。
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