かわいいあなたにマフラーを
「うん、井口とは何でもない。
俺が好きなのは、静谷だけ」

彼女の頭を撫でながら、もう片方の手を頬に手を添えた。
真っ赤な彼女は暖かくて、可愛い。

「笹野君……!
わたしも、好き……!

あ、メールの返事、すぐしたかったんだけど、直接言ったほうがいいかなって思って、昨日はしなかったの。
でも朝、笹野君と井口さんが一緒にいるの見たら、わたし……」

逃げ出したことを謝りながら、また、彼女は下を向いてしまった。

「秋穂」

「さ、笹野君……?」

突然俺が名前で呼んだことに、驚いた顔をする秋穂。
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