かわいいあなたにマフラーを
「俺のことも名前で呼んでよ、秋穂」

驚いて顔をあげた彼女にキスをすると、真っ赤になりながらも

「ま、まふゆ……! 真冬君!」

と、初めて名前を呼んでくれた。

変な名前だ、と我ながら思っていたけど、秋穂に呼ばれると良い名前に思える。
もっと、その鈴のなるような心地よい声で、呼んで欲しい。

「もっと呼んで、秋穂」

「ま、真冬君……!」

俺たちは抱き合って、暫くお互いを名前で呼び合っていた。

もし誰かが見ていたら、、何やってるんだ、とツッコミたくなる光景だったと思うけど、嬉しくて仕方がなかった。
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