かわいいあなたにマフラーを
俺はそれから、楽しく律君の誕生日会を祝った。
律君の父親である響さんも母親も、気さくで、そこまで気を遣うこともなかった。

律君にあげたプレゼントも喜んで貰えて、しかも彼と仲良くなれて結構遊んだ。
ヒーローごっことか、すごろくとか、俺も子供の頃やったな、なんて懐かしくなった。

秋穂が律君の首に、例の青いマフラーを巻いていた。
細くて鮮やかなそれは、小さな彼にサイズもデザインもピッタリだった。

律君は俺があげたおもちゃより大喜びで、皆に見せびらかしてまわる。

彼が動くたびに、両端の白いポンポンが揺れて可愛い。
本当に微笑ましい光景だった。

さすが秋穂だな、と関心した。
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