囚われた瞳【琴子さんanother story】番外編2UP
時間が来て、岸に戻る。

岸へ上がる時に、先に上がった荻野君がサッと手を差し出してくれる。

ガシッと手を握られ、よいしょっと、私をボートから引き上げてくれた。

触れた手が熱い。

着地する時、少し身体が斜めに傾いた私を、おっと…と、腰の辺りを抱きかかえる。


ドキッ!

驚いて荻野君を見上げると、思ったよりも、近くに彼の顔があって焦る。


カアァ…


2℃くらい体温が上がったと思う。頬が熱い。

「あ、ありがとう」

そう返すのが精一杯だ。

「いいえ。どういたしまして」

荻野君の形のいい唇が、綺麗な弧を描いた。


ドキドキドキ…


荻野君が、私の身体を抱きかかえたままだから、心臓の音が聞こえてしまわないかな。


ドキドキドキ…


静まれ、心臓。





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