囚われた瞳【琴子さんanother story】番外編2UP
「人物の写真…青山さんだけは、絶対に撮らないと思う」

ボソッと、荻野君がつぶやいた。私に話しかけたわけじゃなく、たぶん無意識なつぶやき。

私だけは絶対に撮らない?どういう意味だろう…

「………」


「……っ、すみません。いつまでも…
もう、ふらつきませんか?大丈夫?」

我に返ったように、荻野君が私に尋ねる。

「ありがとう。もう大丈夫だよ」


反射的に答えながら、考える。

荻野君にとって、私は仕事の依頼人で、容姿も至って普通だ。
もしも、今後、彼が人物の写真を撮るようになったって、モデルでも何でもない私を撮ることは100%あり得ない。

真面目な荻野君は、ボートの上で、私が尋ねたことを律儀にずっと考えてくれてたんだ。

対象外なんだ…

ズキン…

胸が苦しい。

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