囚われた瞳【琴子さんanother story】番外編2UP
「ヴォーノ・ヴォーノ」

イタリア語で「美味しい」という意味を店名にしたイタリア料理の店。

店に入る前から、オリーブオイルとニンニクのいい香りが漂っている。

ヤバい。お腹…鳴りそう。

思わず、お腹を押さえた私を、目ざとく見つけた荻野君が、クスッと笑った。

きっと、あの荷物を運んでもらった時の事を思い出したんだろう。

むっ。

「もう!いつまで覚えてるのよ。早く忘れて」

この調子だと、荻野君とご飯を食べるたびに、笑われそうだ。

えーー?何のことですかぁ?ととぼけてる。

ぷくぅ…と、頬が膨らむ。


ふわり…


突然、わずかにグリーンノートが香る。

「嘘です。ずっと忘れませんよ?可愛かったんだから」

荻野君が、私の耳元で囁いた。


ドキッ…


「…っえ?」

思わず荻野君を見ようとしたけど、スタスタと店の方へ歩いて行ってしまったから、荻野君の後ろ姿しか見ることが出来なかった。

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