Pathological love
「どこでも成功、清々しい心、可憐、愛国心、荘厳…………」
「……どれも私には耳が痛いものばかりですね……。」
「あ!あれ?あの人!!」
テーブルでお茶を用意していた小林さんが、急に驚いた声を上げて、ティーポットがカシャンと鳴った。
「え?どうしたの、優ちゃん?」
「こ、この今テレビに出てる人、令子さんの!」
「あら、秋山さんじゃない?有名な人だったのね~!」
「えっ……?」
私は咄嗟に立ち上がり、全く視界に入れてなかったテレビの画面に視線を集中させた。
テレビの中の連理は、綺麗なアナウンサーに色々とインタビューを受けている。
連理は落ち着いた様子で、坦々と質問に答えていた。
久し振りに見た彼は、堂々としていて、仕事の話を熱く語る様は初めて見る姿だった。
「連理…………。」
『秋山さんのプライベートについて、伺っても宜しいですか? 』
『えぇ……何でしょうか?』
『婚約者の方がいらっしゃるんですよね?このCMに出てくる神秘的な女性も、その婚約者の方がモデルと噂されてますが?』
『あぁ~それですか……ははっ。』
“聞きたくない”
嬉しそうに少しはにかみながら笑う連理を見て、私は無意識に立ち去ろうと、椅子を引いていた。
「令子ちゃん……逃げないでちゃんと向き合いなさい。」
肩に置かれた両手が、私を押し戻す様にグッと力が入った。