Pathological love

末期の状態でよくここまで長文を書いて残したものだ。

この文章を見るだけで、目の前が滲んで見えなくなりそうだった。

また胸が苦しくて、痛くて、あの日の現実に引き戻される。

何もしてやれなかった罪悪感と、一人切りになってしまった焦燥感。

震える手がかじかんで不安感が押し寄せる。

私は固まったまま深く目を閉じた。


(大丈夫……大丈夫……読まなきゃ……ちゃんと……読まなきゃ……。)


その時、ぽわっと温かい物が背中を包んで、私の手の甲を温めた。


「令子……大丈夫……俺が支えてるから。」


ぶわっと安心感が胸に生まれて、いっぱいになる。


「う…ん……。」


涙を拭って、改めて手紙に目を向ける。

手紙の内容は、私の小さい頃から今迄の苦労話や思い出だった。

女手一つで私を有名大学まで卒業させるのは、尋常じゃない苦労だった筈だ。

殆ど家に居なかった母を思えば、それは容易に想像できた。

私が不倫をして、捨てられて自暴自棄になった時も母は気丈に振舞っていた。

手紙の最後にはこう記されていた。


『 この手紙を見てるとゆう事は、母さんはもう生きてはいないわね。人はいつかは死ぬもの、いつまでも落ち込んではダメよ。令子、独りで生きていける様になりなさい。男に頼らず、自立した女性になりなさい。それが母さんの唯一の望みよ。母さんを失望させないでね。』


最後の最後まで母さんの言葉は、私の心を重く沈ませた。


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