Pathological love
「……“ その時は、その人と一緒になりなさい。令ちゃんならきっと王子様と幸せになれるわ。”………ほら?令子……幸せになっていいんだ。」
温かい声は、凍りついた私の心を芯から溶かしていく。
「私の夢……覚えてて……くれたんだ…………お母さん。」
ずっと誰かにそう言って欲しかった。
許されたかった。
ありのままの自分を受け入れて欲しかった。
「俺達……二人で幸せになろう?」
彼の言葉と同時に、私の涙腺は決壊した。
そんな夢みたいな申し出があるだろうか?
愛しい人が同じく私を愛しんでくれる。
そんな奇跡、ここにあるのだろうか?
「……う……ううっ…………私……私……幸せになってもいいの?許してくれるの?……ううっ……お母さんっ!!ごめんね……ごめんねぇ…………。」
蹲る私を、連理はヒョイっと抱き上げた。
痩せて弱々しい身体は、意図も簡単に彼に運ばれる。
「ちょっとっ!!待って?!連理っ?!!」
驚いて踠く私を制して近くの東屋に連れて行くと、連理は私を胸に抱いたまま頭を撫で始めた。
頬を寄せた彼の胸から、トクトクと心地よい音が私に伝わる。
いつの間にか降り出していた真っ白い雪が静かに地面を白く埋める。
一頻り泣いて私が落ち着くと、彼は大きく一つ息を吸った。
「令子のお母さん!!彼女は俺が幸せにします!!だから、彼女を俺にください!!お願いします!!」
空に向かって、彼は大声で叫んだ。
「連理っ?!!ちょっとっ!!」
驚きと恥ずかしさの余り、彼のシャツの胸元を握ると、空に向かっていた視線をバッと私に戻し、ギュッとそのままキツく抱き締められた。