強引上司と過保護な社内恋愛!?
私の一言に肇さんの眉がピクリと上がる。

「田母神さんが一緒にレセプションに出席していたという女子なのか?」

「はい、その時お父様に偶然お会いしました」

ほお、と言って、肇さんは私を値踏みするようにジロジロ眺める。

鳶色の綺麗な瞳に囚われたようで妙に居心地が悪い。

「はじめ」

桧山さんは咎めるように鋭い視線を兄へと向ける。

肇さんは「失礼」と言って、眼鏡人差し指で押し上げる。

「田母神さん、何か誤解があるようだから言っておくが、父親は昔っから暁LOVEだ」

肇さんは無表情のまま言い放つ。

一瞬、凍りつきそうな冷たい風が吹いた気がした。

「え…と、でもこの間レセプションで会った時にクソミソに言われてましたけど」

私は気を取り直し、遠慮がちに言う。

ひどいなー泉、と言って桧山さんはヘラリと笑う。

「其れがうちの父親の愛情表現だからな」

「何だそれ!解りづらっ!」

心の声が思わず口を突いて出る。

「そもそも、うちの父親クラスが直々にレセプションに出席するなんて滅多にない事だ。何処からか暁が来ると聞きつけて会いに行ったんだ」

「え…そうなんですか?」

そんな感じには全然見えなかったけど。
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