強引上司と過保護な社内恋愛!?
「でも…ありがと」私はボソリと呟く。

佑樹くんは私の中にあった卑屈で醜いネガティブマインドを代弁してくれた。

私の口から聞いたなら桧山さんはドン引きだったろう。

「またお店に行くね」

「あの、泉さん…」

「おやすみ」

佑樹くんが何か言おうとしていたけど、私は気付かないふりをして足早にエントランスへ続く階段を上がっていく。

早く独りになりたかった。


マンションの鍵を開けて中に入る。

いつもと変わらぬ汚い部屋を見ているとなんだか虚しくなって、私はその場に座り込んだ。

だって…どうしようもないじゃない。

堰を切ったように両目から涙がブワっと溢れた。

私の部屋に泊った時の無防備な桧山さんの姿をフト想い出す。

この半年間、殆ど毎日桧山さんに振り回された。

たくさん怒って、たくさん笑って、たくさんキスをした。

あんな近くにいたと思っていた桧山さんはもう手の届かないところに行ってしまう。

どうしよう…今以上に好きになれる人なんてこの先一生出来そうにもない…。

涙は止まることなく頬を伝って床にボタボタ落ちる。

ずっとこのまま独りっきりのような気がして無償に泣けて来た。

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