強引上司と過保護な社内恋愛!?
「はあ…」

会社に到着しデスクに座るなり大きなため息が出る。

「二日酔いですか?」

隣の加奈ちゃんが大きな瞳で私の顔を覗き込む。

飲み会の翌日も抜かりなくキラキラ女子だ。

「うん、ちょっと飲み過ぎちゃったみたい」

行く先を記載するホワイトボードに視線を向けると「桧山」の欄は赤字で「直行」になっていた。

一旦タクシーで自宅に戻って着替えてから出社するって言ってたっけ。

営業ってこうゆう時は便利だよなぁ、と思ってしまう。

「桧山さん、絶対二日酔いですよね」

そうかもね、とさりげなく相槌を打つ。

「泉さんは昨日帰れました?」

加奈ちゃんの台詞に鼓動が大きく跳ねる。

「うん、程々のところで切り上げたから大丈夫だったよ」

動揺をポーカーフェースでひた隠す。

「それは良かった。愚図愚図してると桧山さんの介護係を押し付けられますからね」

介護係?と聞き返すと加奈ちゃんは眉間に皺を寄せコクコク首を縦に振る。

「あの人最後にはいっつも酔い潰れるから、誰かが自宅まで送り届ける羽目になるんですよ。昨日は誰がババ引いたんだろ」

はいはーい、私でーす。

とは、言えるわけがなく「大変だね」と言って力なく笑った。


やっぱりあんなヤツ、店の外にでも転がしておくのが正解だったんだ―――
< 43 / 360 >

この作品をシェア

pagetop