強引上司と過保護な社内恋愛!?
「馬鹿言わないでください!桧山さんが酔い潰れたから泊めてあげたんじゃないですか」

ここに至るまでどれっほど!大変な経緯があったかを一気に巻くし立てる。

桧山さんはまるで他人事のようにそれをポケッと聞いていた。

「財布に免許書はいってたけど。それ見れば住所わかったんじゃない?」

そして一言…。

「なるほど!頭いいですね」私はハッと目を見開いた。

膝をポンと叩きたくなるほどの名案だ。

しかし、それを今更知ったところで意味がないとすぐさま思いなおす。

「同じシュチュエーションになった時にはそうしてみます。絶対ない、と思いますけど」

私は鼻の頭に皺を寄せて、負け犬のごとく遠吠える。

「田母神さんってプライベートでは意外と天然なんだね」

…天然?

私が大っきらいな言葉だ。

天然なんてもんは大抵天然なんかじゃなく、計算づくしの上で作られた隙である場合が多い。

私は鼻の頭に皺を寄せたまま黙り込む。

「しかも結構部屋が散らかってんのな。なんか意外だわ」

桧山さんが窓辺にかかった洗濯物にチラリと視線を向ける。

ド派手なパープルのランジェリーが干しっぱなしだ。

< 45 / 360 >

この作品をシェア

pagetop