強引上司と過保護な社内恋愛!?
装着すると自然で美しいラインになるデザインに惚れ込んで買おうと思ったんだけれども、私のサイズでは黒やベージュの無難な色が在庫切れだったので、仕方なくその色にしただけです。

…と、言い訳したいところだけどそんな場合じゃねえ。

私は慌ててベッドから飛び出すと洗濯物を窓辺から外し、すぐさま仕舞いこもうとクローゼットを開ける。

その瞬間、クローゼットに押し込めていた衣料品やら何やらが雪崩のように崩れ落ちてきた。

「うわ、壮絶…」

あまりの荒んだ光景にわくわく動物園の桧山さんですら目をまぁるくしている。

終わった…おっさん女子生活がバレた。

途方にくれて、散らかった床の上にペタリと座りこむ。

「あ…あの、いつもはもっと綺麗なんです…今週は、た、たまたま体調が悪くて…」

バツの悪さに涙目で吃りながら言い訳する。

着古したロングTシャツと、ダルダルのスウェット姿でそんな事いったって説得力0(ゼロ)。

桧山さんはノソリと立ち上がりよろよろ歩いてきて私の側にしゃがみこむ。

「どうせドン引きしてるんでしょ。会社ではすかしてるくせに部屋の掃除すらまともに出来ないだらしない女だって」

桧山さんは無言のままジッと私の顔を見つめている。

「なによ…なんか言いなさいよ」

ちっちゃな顔を傾けるとチュッと短いキスをした。

「朝食は味噌汁が食べたいな」そして屈託のない笑顔を浮かべる。

…は?味噌汁?

私はエクトプラズムの如く口から魂が抜けだしたまま固まった。
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