天気職人
「ちげぇって....悪かったよ、ちょっとばかし驚いただけじゃねぇか」

「はいはい、わかりましたよーだ」

「ガキかよ」

「うるさい」

「すみませんね」

お互い少し見つめあって二人とも同時に吹き出した。

「ぷっ....あはははっ」

「もうっ、私何しに来たのか解んないわっ」

ソラはクスクスと笑った

「そだな、んじゃ、始めようか」

雅美は棚から原液を取り出して机に置いた。

「昨日のとは違うわ、どうして?」

「ん?いやぁ、別に...」

ソラの為にわざわざ買いに行ったなんて雅美は当然言えなくて言葉を濁した。

「もしかして....あたしのため?」

どうして女という生き物はこんなにも勘がいいのか。

「ちっげぇ....よ」

「なんであたしのためにそんなことするの....?部屋を片付けたり....新しいものを用意したり....」

ソラは下を向いてしまった。

何かいけない事をしてしまったのだろうか。と雅美は考えた。

....が、特に思い付かない。

こうなったら本人に聞くしかないだろう。

「なんでだ?してほしくなかったか?」
 
「えぇ、してほしくなかったわ」

予想外の答えだ。

「なんでだよ?」

「だってそんな事されたらあたし勘違いしちゃうわ」

顔をあげて笑ったソラはまたどこか寂しげだった。

「....?」
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