天気職人
「さ!始めましょうっ?」

「ん、おう」

あらかじめ準備しておいたパレットと原液と原液を混ぜるための特別な水。

「ねえ、雅美....本当にあたしにもできるかな?」

「できるさ、」

なんたって俺が教えてやるんだからな、と雅美は冗談混じりに笑う

「頼もしいわね」

ソラはふふっと笑った。

「さぁ、明日はどんな天気にする?」

「そうね....晴れがいいわ!雲1つない青い空!」

「んじゃ、そうするか」

今日買ってきた青色の原液をソラに渡す。

「これを....どうすればいいの?」

「ちょいまち、これとこれと....あとこれも。」

次々に原液の入った瓶をソラに渡していく。

「わわっ、まっ雅美っ」

「あ、あぁ!!!すまねぇ」

両手一杯に抱えきれないくらいの瓶を持ったソラが今にも倒れそうだ。

慌てて雅美は瓶を持ってやりソラを倒れないように引き寄せた。

「あぶねー....」

すぐ近くにソラの吐息を感じ、雅美は慌ててソラを離した。

「....なんだか今日は雅美らしくないわ、どうかした?」

「なんでもねぇよっ!!それよりっ、天気、早くやろうぜ!?」

明らかに様子がおかしい雅美を不思議に思いながらソラは椅子に座った。
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