怪しい羊と迷えるオオカミ'S【完】



「今日の夕飯は何にしようかな」


最寄り駅についた美祈は駅前のスーパーに寄ると特売と書かれた方へと足を進める。


「よし、今夜は生姜焼きにしよう」


付け合わせにする野菜やお楽しみの発泡酒。


レジでお金を払うと取り出したエコバッグの中へ綺麗に詰めて徒歩5分のマンションへ向けて歩き出す。



駅前のスーパーを出たあたりからは、警戒警報発令中。



前見て後ろ見て当然左右も忙しく確認。


曲がり角ではその先を覗き込むように確認してから急ぎ足で歩く。




「今日も無事に終了」



部屋へ戻り冷蔵庫の中へ買ったものを詰めているとタイマーでセットしたご飯の炊けたお知らせ。



マスクとメガネを外しスーツを脱ぐと


「解放~!」


言葉とともに真っ黒なボブのウィッグを外しシャワーを浴びにバスルーム。


鏡にうつるのは、先ほどまでとは別人の姿。



「我ながらこの太い眉を描くのも上手くなったな」



ファンデーションを落とし髪に止めている数本のピンを外すと勢いよくシャワーを浴びた。



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