怪しい羊と迷えるオオカミ'S【完】
「もじゃもじゃ~♪」
「二股でごめんね。愛されてんの」
「おい、お前も二股かけられてんじゃん」
呼ばれるままに軽い足取り
最初の頃こそ戸惑うように繋いでいた手も今では自然な感じ。
腕を組んだり肩を抱いたり。
それを見ている柊哉とマコは
「幸せそうで眩しいッ」
「光合成が出来そうなほどだ」
「人の恋みて我が身を嘆こう」
顔を見合わせてクスッと笑った。
何か所か観光してまわりシャッターを切る瑛太。
ほとんど美祈しか映ってないだろうと誰もが思う。
マコもまた美祈の手元に届く写真が自分やコタではなく、瑛太と柊哉という今までになかったメンツである事を嬉しく思った。
夕刻になり日も暮れ始めたので予約していたホテルに到着。
キーは2つ。
当然のようにマコの腕を組もうと歩き出した美祈。
「こっち」
「「あっち」」
「えっ?えーーッ」
フロントであたあたとみんなの顔を見回すが、瑛太しか目が合わない。
瑛太が美祈の腕をグッと自分の方に引き行くぞとばかりに歩き出す。
「何だ。俺と一緒は嫌なのか」
「あっいやそうじゃなくて、マコ…マコと課長でいいの?」
自分と一緒を嫌がってない。
今はきっと部屋割りの事だけで今夜の事までは予想も決心も覚悟すらしてないだろう。
「温泉行くときメールする」
さっさと柊哉と部屋に入っていくマコに唖然としていた。
「か…課長」
「ここペット可だって」
またも平然と部屋に入って行った。