怪しい羊と迷えるオオカミ'S【完】
「結婚って…まて俺が混乱してる」
瑛太さんがビールを持ってきてそれを飲みながら話しをした。
「フィンランドに行く為の結婚か」
「そういうわけじゃねぇけどまぁきっかにはなったな」
「もっとこう…お互いを知ってからでもいいんじゃねぇのか?」
「柊ちゃん、俺ら出会った時が一番良くなかったわけよ。一番いい時に出会ったんじゃなくて出会い方も美祈の状況もな」
私と瑛太さんがぶつかった日
コソコソと辺りを窺う怪しい女と警戒すべき怖い人
これが私たちの出会い。
座敷童ともじゃもじゃがひかれあったのは、外見の容姿じゃなくて内側から光り輝くもの。
「付き合いが短くて結婚するやつって大丈夫か?って俺も思ってたんだけどよ、結婚を決めるのに期間なんか関係なかったわ。こいつとのこの先を描けるかって事だった」
「未来を描くか」
「そういう事。この俺がこいつとの未来を描けたんだぜ」
親のようにいろいろ聞かれたけれど瑛太さんの求めるものと私が求めるものというか、この先の未来が同じだなって課長が言って
「一生を決めていいんだな」
「柊ちゃん親父みてぇだな」
「いいからお前は黙れ!」
課長が真剣な顔で私を見たから
「瑛太さんしか考えられません」
私の想いをちゃんと伝えた。
「そうかわかった。幸せになれよ。瑛太!お前立派になったな」
おめでとうって言ってくれて嬉しかった。
それからマコに連絡をすると物凄く驚いて電話口で泣いてた。
嬉しいし幸せになって欲しいけどすごく淋しいってずっと泣いてた。
会ってきちんと話そうという事にして時間も遅かったのでとりあえず電話を切った。
「マスク…取って出勤してこい」
瑛太さんが笑っていて
「うん」
私も頷いた。
明日から会えなくなる瑛太さんと一晩一緒に過ごし
ほとんど寝る間もないぐらい早い時間
「もう心配しねぇぞ」
「うん。今度は私が心配する番よ。身体に気を付けて」
笑顔で手を振って空港へ行くタクシーを見送った。