怪しい羊と迷えるオオカミ'S【完】
ロッキーは芹沢の幸せは嬉しいけれど淋しさも大きいようだ。
当然だろう。
瑛太がアラスカへ行ってからは、少しでも一緒にいたいと芹沢の家から通勤している。
俺の家には、寄り付かなくなった。
泣きに来る時以外はってのがつくか。
飯すら一緒に食わないという薄情ものだ。
芹沢がせめて週末ぐらい一緒に食べようと言ってくれなきゃ1人が当然だろぐらいのもんだ。
だが、楽しく話せば話すほど淋しくなるようで
フラりと自分の都合でやってきて無言でコタツの中へ潜り込むと
クスンッ
やがてすすり泣きが聞こえてくる。
そしてそのまま眠り、目が覚めると3階まで帰っていく。
今日もフラりとやってきてコタツにゴロンと転がった。
「おい、ここはお前の部屋じゃねぇぞ。この薄情女」
相当淋しいのか。
生意気な返事すら帰ってこない。
俺も黙ってそのまま放置しておいたら
「あたしだって考えてんのよ」
すでに泣いてたのか。
泣き声で怒ったって威力が1/10以下。