怪しい羊と迷えるオオカミ'S【完】
「バカだからわかんないんでしょ。あたし達はあの2人が行っちゃったらグスン
会えなくなるのがグスン2人じゃないんだよ。3人なんだよ」
あぁ確かにそうか。
芹沢がいないならロッキーもここに来る必要がねぇもんな。
平和で静かな日々…俺のペースが取り戻せて嬉しい気もするが
この珍獣が何やってんだとか飯食ったのかとか気になるかもな。
「座敷王子はそのまま孤独の道を歩んでいくのかと思うと忍びないじゃない」
「俺に明るい未来はねぇってのかよ」
「見て来た限りじゃ明るいも何ももう…だから少しでも孤独を感じないように少しずつ慣れてもらおうと思ってるのに」
ほんとにこの女、どうやってしめてやろうかと思うわ。
コタツの布団をめくりロッキーの両足を掴むとズリズリとコタツの中から引っ張った。
「痛いっぶつかるってちょっと」
髪がぐしゃぐしゃ。泣いて顔もぐしゃぐしゃ。
だけどそれが何か可愛くて
干物のように仰向けで睨んでるこいつの腕をもって起こすと
「心配なら来りゃいいだろ。お前、来ないつもりかよ。俺が具合が悪くて寝込んでたらどうする」
「知らないよそんなの。あたしは自分がどうやって生きていくかだけで精一杯だよ。ロッキーのテーマぐらいじゃ立ち上がれないんだから」
立ち上がれないぐらいか。
まぁその99%は芹沢だけど1%ぐらいは俺だよな?
「美祈ともじゃ男に会えなくなるのは淋しい…エーン」
俺はもう思わず吹き出したよ。
1%もねぇらしい。
マジかもって思えるから笑える。
こいつは、口は悪いが腹ん中真っ白でバカ正直だからそう思える。
嘘なんて口にしないやつだから笑えるんだ。