怪しい羊と迷えるオオカミ'S【完】


ギュッと胸に抱きしめて


「退屈だから来いよ。一緒に飯くったりしよ」


「やだよ。一緒にここで穴暮らしみたいにだらけていたら、あたしまで可哀相に思われる」



おいおいッ 


もう笑いで身体が震えてきた。



「じゃあどっか出かけよう」


「嘘だぁ」


「行くよ」


「どこ?」


「どこでも。まずは、駅前のスーパーぐらい?」


「ほら――」


俺の腕ん中でこいつも笑い出して



「干物を俺がちゃんとひっくり返して乾燥させてやるよ」


「ベテラン…。目のつけ所が違うッ」



抱きしめたままロッキーの頭に頬を寄せてしまうのは、捨てられている仔犬を拾ったような感じかも。



珍種のこいつは、まさに珍味だ。


くせになるっていうか、スキなやつにはたまらねぇ珍味


あれ?スキなやつ?


俺、こいつスキなのか?


いやスキは珍味の話しだな。



泣き止むとティッシュで鼻をかみ


空になったと言ってちゃんと新しいのを出してきて置き換える。



「じゃあね」


「おぅ」


「微妙にありがとう。おやすみ」


「微妙…プッおやすみ」



瑛太だけじゃなくてあれまでいなくなったらほんと孤独を感じるかもな。


玄関のチェーンをかけると独り言。



うわぁ独り言ばっかりになるんだろうな。




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