怪しい羊と迷えるオオカミ'S【完】


そして、毎日をかみしめながらっていうのも大げさだが


芹沢と一緒に出勤するようになった。


部署内でももうメガネもマスクもないありのままの芹沢の姿でまわりもすっかり見慣れている。



出会った時から今の芹沢であったならどうだっただろう。


可愛いとは思ったけれどあれほどまでに気に留めることはあっただろうか。


いやあっただろう。


確実にあったと思う。


これはこれであれはあれだ。


そう言い聞かせるのは、男だろって自分に言い聞かせるようなもの。



それでも、ロッキーと出会い振り回される事もなく


瑛太がフィンランドへ行こうがどこへ行こうが大した事件には思わなかったように思う。



人の関わりというのは、その先の人生に変化をもたらす。


ある意味俺の人生に面白さを与えてくれたわけだ。



芹沢は瑛太の帰国の日が近づくにつれ喜びが増すようで、あと何日で帰ってきますとカウントダウンを喜んでいる。


瑛太だって同じだろう。



だが家にやってくるロッキー犬は泣いたり怒ったり


瑛太の話しには機嫌が悪くなったりもする。


「わかってるの。ごめんなさい」


自分の不機嫌さを出したあとは必ず謝る。


でも、気持ちの持っていきようがないようだ。



そのぐらいロッキーは芹沢を考えて生きて来た。


ロッキーが支えるのと同じように芹沢もまたロッキーを支えてきたんだろう。





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