怪しい羊と迷えるオオカミ'S【完】
「飯は別なくせに3日と空けずにコタツに入りにきてそこで泣いて寝て帰るってどうだこれ。お前の家かって何度言ったか」
「飯って…それは、俺への義理立てだろ。俺がいねぇのにあいつと3人で楽しく食うってのが悪いと思ったんだよ」
「そうか?お前は1人で食ってろって感じだったぞ」
瑛太はにやにや笑いながら毎日一緒に食いたかったんだなんて馬鹿な事を言った。
「だから違うって」
「ロッキーがここで食ってたらあいつが1人じゃん。マコはそんな事しねぇよ」
瑛太に言われるとそんなような気もしてきた。
だが
「俺に明るい未来が見えなくて可哀相だとよ」
「なるほど」
あいつが言ったことを言いつける子どものように瑛太に話す。
「柊ちゃんの事も一番心配してくれてんじゃん。まぁ美祈に会えなくて淋しいっていうのは説明するまでもないけど、俺と美祈が対だからだよ。自分の代わりに美祈を守るのが俺だからだよ。だから口では何と言ってようが、感謝の気持ちをたくさん現してくれんだよ。それが美祈の幸せにつながるって思ってっからよ」
「あいつそこまで考えてるか?」
「考えてるよ。美祈とマコとの関係って柊ちゃんより俺の方が近くて深いのわかるでしょ」
「すげぇ疎外感」
「あははは。美祈と柊ちゃんは今でも彼氏の親友じゃなくて上司と部下だろ?
仕方ない事だけどな。だからマコにとっても親友の上司なわけよ。俺は単純に親友の彼氏。どっちが近いよ」
「お前だな。でもよ、あいつのあの態度が親友の上司への態度か?」
「だから、マコが近づいてんじゃん。マコが親しくしていれば美祈だってリラックスすんだろ。マコが来てなきゃ柊ちゃん1人の時間がすげぇ長かったぞ。どっか行くのも3人で出かけてた可能性もある」
俺は、思わず唸った。
あいつは、本当にそこまで考えているんだろうか。
親友とはいえそこまでするだろうか。