怪しい羊と迷えるオオカミ'S【完】
そんな物思いにふけっていると瑛太がマコから聞いた話しだとあいつらが子どもの頃の話しを始めた。
ワンパクなロッキーとコタのせいで芹沢がよく怒られたと。
やったのがあの2人だって先生や大人がわかっていても最後まであいつらの名前を言わずに自分だって言い張り、代わりに芹沢が怒られたそうだ。
現行犯でコタが正座させられていたら黙って隣に一緒に座って付き合い、ロッキーが骨折したら1ヵ月以上もランドセルを持ってやって学校に通い、
芹沢がちゃんとあの2人を注意しないからだっていう怒られ方もしていたようだ。
そんな時も芹沢は、私の大事な友だちの事をそんな風に言わないでって泣いて怒ってくれた。ロッキーは今でも思い出すと泣きそうらしい。
「だったらやめりゃ良かった話しじゃん」
「それは、俺も言った。あははは」
「すげえ絆なんだな」
「あいつらの生まれ育った町に行って、通っていた道を歩いてさ、なんか感慨深かったんだよね」
すっかり年寄りの会話っぽくなってるって笑いだしたけど
座敷童の芹沢だけじゃなくあいつらの友情みたいなものにもひかれたのかもしれないな。
俺と瑛太の友情もそれに劣るとは思えないが、純粋さは比じゃねぇや。
言われた通りにお米を研ぎご飯が炊けた頃
お帰りなさいパーティーだからと部屋まで何回も往復しながらおかずを運んできた。
脱ぎ忘れたって2人して半纏を着ていたから瑛太は爆笑していたけど俺たち3人だけの共通点だってあんだよってちょっと嬉しい。
芹沢は赤の絣でロッキーは黄色。
今風の柄も売ってるけどやっぱり絣の方があったかそうに見えるだとか
内ポケットがついてるだとかコンビニなら余裕で着て出るって大笑いだった。
座敷童が着てたら可愛かっただろうな。
そう思っているのは瑛太も同じみたいだ。
ちょっと目が合って二人でにやついた。