怪しい羊と迷えるオオカミ'S【完】
「グスンッ行っちゃったね」
「行っちゃったな」
「行ったな」
いつまでも泣いているマコの背中をコタがポンッと叩き
「でもお蔭で俺の初海外がフィンランド!」
やっぱりお前も、ロッキーとの付き合いが長いんだな。
こいつの気持ちの上げ方を心得てる。
零れる涙をハンカチじゃなく手でふくのも、逃げるとわかっていても
俺のジャケットで涙をふこうとするのもロッキーだ。
瑛太から話しを聞いた芹沢の希望で結婚式はフィンランド。
向こうでの生活を始めながら2人で準備をしていくらしい。
「話し聞いてたら木こりにでもなるのかと思ったよ」
柊哉もコタもイメージしたのは、緑豊かな自然の中で綺麗なウェディング姿の花嫁と自慢げな花婿
そして、ガーデンパーティーに集う参加者たちからの祝福の拍手――。
「何でお前だけ木こり?」
「え?違うの?じゃあどんなよ」
「まぁひげもじゃの頃なら斧持っても似合ったかも」
コタの言葉でマコの涙も止まって3人揃ってクスクスっと笑い声。