怪しい羊と迷えるオオカミ'S【完】


「コンビニか薬局探すから」


美祈もコクリと頷き静かに助手席へ座る。

車が走り出してもどちら会話が弾まないのは、瑛太も美祈も心の準備をしているところ。


5分ほど走るとコンビニが見えてきた。


「待ってろ」

瑛太は車を降りると消毒液と缶コーヒーとおにぎりを買って戻って来た。

ガサガサと袋から取り出すと美祈の額に薬をつけ

「痛くねぇか?しみねぇかぁ?」

フ~フ~と息を吹きかける姿に美祈が小さく笑った。



車のエンジンを再びかけようとして瑛太は迷った。

車を止めてきちんと聞いてあげた方がいいのか、それとも運転しながら何気なく聞いた方が美祈にとって負担にならないのだろうか。



走り出さない瑛太に

「運転しながら聞いて下さい」

察した美祈の言葉に瑛太はエンジンをかけ車を走らせた。




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