ドクター2

結局ご飯は目の前に置かれたまま、手をつけることができなかった。






片付けられた後、やってきたのは看護師さんと青木先生。






「おはよう、カンナちゃん。






熱は下がってないみたいだね。」






下げてよ。医者なんだから・・・・・・。






もう昨日みたいなの、嫌だよ。






「じゃあ診察するからね。」






そう青木先生が言うと、看護師さんがテキパキと私の服を脱がして、診察が始まった。







冷たっ!






「カンナちゃん、嫌だよね。





すぐに終わるからね。手をどけてね。」





 
そういって青木先生は私の手を掴む。




 

離してよっ!
     





無理矢理動かしても先生の力、強い・・・・・・。






「終わったよ。口開けてね。」






嫌。なんで何でもかんでも言われた通りにしなくちゃいけないの。





私の様子を見て、看護師さんが私の顔を上に向ける。





「んっ!!!」






「無理矢理でごめんね。すぐ終わるから。」







もう、本当に止めて。






なんでこんなことになっちゃったの?





今まで丈夫な体だったのに。





そう思うと涙が出てきた。





「ウッ、ゲホッ。





ぅうっ・・・・・・。」






「カンナちゃん、泣かないよ。泣くと咳が出て苦しいからね。」






そういい頭を撫でてくる青木先生の手を払い除けた。





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