愛の歌、あるいは僕だけの星
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十九時を過ぎて、すっかり薄暗くなった道を一人で歩く。
見上げれば、既に一番星がちらちらと弱い光を放っている。5月も半ばだけれど、やっぱりまだ夜は少し冷える。
通学路にある十字路。そこにあるものを見て、銀也は自然と歩みを止めた。手向けられている沢山の花束。
「そういや、ここだって言ってたっけ」
彼女を想う沢山の人が、ここに置いていったのだろう。こんな場所で死んでしまうなんて。面倒見がよくて、いつもたくさんの友達に囲まれていた彼女には随分と寂しい最後だ。
「……成仏しろよ」
別に、幽霊だとか魂だとか、そういう霊的な類を信じているわけではないけれど。自然と口からこぼれ落ちた言葉だ。それにまさか。
『ううん、それがね……、なぜだか出来ないんだよね』
「いやいや、我が侭言わないで」
いつからいたのか、真横で同じように花束を見つめる女の子。よくみれば、銀也と同じ高校の制服を着ている。