チョコレートプリンス*きみだけをずっと*
――――…。
『……魔法はかけてあるが一応言っておく。このことは誰にもいうな。
そしてお前は元の世界に戻れることはない。
せいぜいアイツの足手まといになって、アイツを困らせればいい』
気づいたらあたしは眠っていた。
だけど、その眠りは深くはなく、浅い眠りであの黒いローブの人の声が聞こえた。
「……んー」
バチバチと耳に入ってくる木の燃える音、そしてほどよい暖かさにあたしは目が覚めた。
「ここはどこ?」
眠っていたのは絨毯の上。そして辺りは1人も人はいなくてこの部屋自体も薄暗い。
ただ分かるのはここが絶対に来たことのない場所だってことだけ。