Butterfly
「聞かれたこと、知ってること・・・ちゃんと話してほしいんだ。

大学の友達も、みんなすごく心配してる。事情はもちろん話してないけど・・・。

とにかくみんな、咲良に会いたがってるよ」

「・・・うん・・・」

「無責任な言い方になるかもしれないけど・・・。話したら、わかってもらえることもあると思う。

もちろん、そうじゃないこともあると思うけど・・・。

誤解は解かなきゃいけないし、言いたくなくても言わなきゃいけないことも当然あると思うんだ」

「・・・うん・・・・・・」

「だから、話してほしいの。正直に・・・。それでここから帰れたら・・・また、咲良と大学で会いたいよ」

「・・・うん」

「また、放課後にバイオリン聞かせて」

「・・・」

一度収まりかけた咲良の涙が、再びポロポロ溢れ出す。
 
私はそんな彼女の姿に、再び胸が締め付けられた。


(咲良・・・)


どうしたら、心を開いてもらえるだろうか。

力になりたい、助けたい。

だけどきっと彼女にも、私とは違う心のブレーキが存在するのだと思う。

それは、悠翔さんのことかもしれない。

咲良自身も、何か隠しているかもしれない。

抱えているものが多すぎて、言えないのかもしれないけれど。

今から前に進むため、きちんと話してほしかった。

「・・・」

「・・・」
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