Butterfly
それから。

県警本部長である叔父さんにも許可を得て、咲良の身体検査が行われるとともに、家宅捜査も始まった。

結果、身体から薬物は検出されなかったし、咲良の家からも、なにも見つかることはなかった。

「あのクローバーのモチーフも、別になにも問題なかった。なんだろうな。

お守りみたいなものなのか、深い意味なく入れたのか・・・」

「・・・そうですか」

家宅捜索が終わった翌日。以前と同じ取調室。

咲良とともに呼び出された私は、市谷さんと龍平さんと向き合って、捜査の結果を聞いていた。

蒼佑さんや津島さんなど、他の市谷班のメンバーは、別の任務にあたっていて、後から来ると聞いている。

「よかったね。これで家に帰れるよ」

「はい・・・」

今日まで監視生活だった咲良は、龍平さんの言葉を聞いて、やっと安堵の声をもらした。


(よかった・・・。これで、落ち着いたら大学にも来れるよね・・・)


ほっと胸を撫で下ろしていると、市谷さんが思い出したように咲良を見つめて話し出す。

「貴見から、『キミだけは特別だ』って、言われた話をしてただろ。もしかしたら、本当だったのかもしれないな。

手紙もそういう内容だったし・・・キミにはクスリを渡さなかった。

他の子たちとは、確かに違ったのかもしれない」

市谷さんの見解に、咲良は目を潤ませてじっと耳を傾ける。

悠翔さんのことに思いを馳せて、切なさが募っているようだった。

考えながら、市谷さんは話を続ける。
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