Butterfly
大学が終わり、学院の外へ出て行くと、10m程先のところに紺色のコンパクトカーが止まっていた。

私は一気に心が弾み、その車へと駆け寄っていく。

助手席の窓をコンコン、と軽くたたくと、気づいた蒼佑さんが中からドアを開けてくれた。

「おつかれさま」

「うん。お待たせしました」

笑顔で言って、私は助手席のシートに座った。

そしてシートベルトをカチリと締めると、彼はウインカーを操作して、並木の続く道路を進んだ。

「どうしようか。夕飯までまだ時間あるから・・・映画でも観る?どっかぶらぶらしてもいいし」

「うーん・・・。そうだね・・・」

とりあえず、と車を国道方面に走らせながら、隙間時間の相談をする。

夕飯は、おすすめの和食屋さんに連れて行ってくれるそうだけど、予約は18時とのことなので、それまでにはまだ3時間の余裕があった。

「映画はちょっと忙しいかな。買い物でもしようか。星の上公園にあるショッピングモール、新しくなったみたいだし」

蒼佑さんの提案に、私は「うん」と頷いた。

「欲しいものがあったら買ってあげるよ。もうすぐボーナス出るからさ」

得意気に、社会人の顔を見せて蒼佑さんが微笑んだ。

私はとても嬉しくなって、「ほんと?」と声を弾ませる。
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