Butterfly
「うーん・・・こっちかなあ・・・。いや、でもこっちも似合うなー」

ショッピングモールに着き、私の好きな洋服屋さんの中に入ると、蒼佑さんは私以上に力を入れて、ワンピースを選別していた。

ストライプのシャツワンピースと、ノースリーブの白いコットンワンピースを交互に私に当てながら、蒼佑さんは「うーん」と唸った。

「・・・うん。やっぱりこっちがいいかなあ。千穂ちゃんに似合うと思う」

そう言って彼が私に差し出したのは、白いワンピースの方だった。

どちらもとてもかわいかったので、私は迷わず頷いた。

「じゃあ、着てみようかな」

「うん」

試着室で着替えをして、チラリとカーテンを開けると、近くで待っていてくれた彼に「どうかな?」と声をかけた。

私の姿を間近で見ると、蒼佑さんは目を細め、優しい顔で微笑んだ。

「うん。やっぱすごくかわいい。似合ってるよ」

「・・・じゃあ、これにする」

へへ、とはにかむように呟いて、私はまた自分の服に着替え直した。

その後、店員さんに声をかけると、蒼佑さんは私からワンピースを受け取って、そのままそれを買ってくれた。

「ありがとう。今度のデートに来て行くね」

「お。それは楽しみだなー」

蒼佑さんが笑う。

その横顔がとても優しくて、私はさらに幸せな気持ちになった。

「でも・・・デートかあ。今度はいつ会えるかな」

ぽろりと出た私の言葉に、蒼佑さんは「うーん」と言って苦笑い。
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