Butterfly
「来週の土曜は一応休みなんだけど。土曜の休みってなぜか必ず呼びだされるんだよなー。

あ、でも、そんなこと言ってたら約束なんてできないもんね。ちゃんと休みかもしれないし。よかったらどっか遠出しようか」

「うん!」


(嬉しいな・・・楽しみ)


丸一日のデートなんて、いつからしていないっけ。

呼び出しがないかは確かにドキドキするけれど、デートの約束ができたことが、私はとても嬉しかった。

「そうだ。もしオレが連休取れたら・・・夏休み、どこか旅行でも行く?」

「旅行・・・」

何気なくリピートすると、蒼佑さんは「あっ」と言って焦り出す。

「でも、千穂ちゃんはまだ学生だもんね。旅費はオレが払うけど・・・。

実家暮らしだしな・・・。親父さんとか怒るかな」

ブツブツ呟く蒼佑さん。

けれど私は気に留めず、ぼんやり未来の想像をした。


(旅行か・・・)


行ってみたいな。

初デートに訪れた、テーマパークを一泊するのも楽しそう。

温泉に行って、おいしいものをたくさん食べて、二人でのんびりするのも憧れる。
 

(でも、そっか・・・。そうしたら浴衣だし・・・夜も一緒にいるもんね)


「早まったかな」と額をかいている彼に、私は「あのね」と問いかける。

「あの・・・話したいことがあるの。今日、蒼佑さんの家に行ってもいい?」

「えっ」
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