Butterfly
お母さんには、可月さんのことは一度も話したことがない。

だから多分母から見たら、蒼佑さんは私にできた初めての彼になるだろう。


(お母さんも、私の痣のことはずっと気にかけているし・・・)


ちゃんと恋愛できるのか、彼氏ができるかどうかについても、言わないだけでやっぱり母は気にしてる。

いい年をした娘の、(お母さんから見たら)初彼氏とのお泊り予定は、どうやら大目に見てくれるよう。


(とりあえず・・・一安心)


あっさりと終わったメールに拍子抜けしながらも、私はほっとしてそのままスマホをカバンにしまった。

するとそのタイミングで、「お待たせ!」と蒼佑さんがやって来た。

「ごめんね、立たせたままで」

「ううん・・・おじゃまします」

通されたリビングは、白と黒に統一された部屋だった。

壁際にはチェストにのったテレビとパソコン、真ん中には黒いローテーブルが置かれている。

背の高い本棚には、難しそうな本から漫画、雑誌やDVDが所狭しと詰め込まれていた。


(うん・・・蒼佑さんの部屋って感じ)


緊張しながら、差し出された座布団に座る。

蒼佑さんは私の斜向かいの場所に座った。

「話があるんだよね。・・・とりあえずなんか飲む?コーヒーか紅茶か・・・。安いワインでよければあるけど」

「あ・・・うん。ありがとう。じゃあ・・・紅茶でお願いします」
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