わたしの意地悪な弟
 写真を取り返そうと口にした彼女は、翌週の月曜日早く学校に行こうと提案してきた。

 わたしは最初意味が分からなかった。

 そんなわたしに日和は丁寧に説明してくれた。

 わたしと樹の写真を家に入れたことで、彼女は今度は学校にばらまくと判断したようだ。

 そのため、翌週は早めに学校に行き、彼女の靴箱か校門を見張っておくようにというのが日和の考えのようだ。

 彼女の考えは大げさなような気がしないでもない。

 だが、家に写真を入れるという行動をとったと考えるとゼロだと断言することはできなかった。

 そこまでは理解を示したが、彼女はこともあろうか自分も行くと言い出したのだ。

 わたしがとめてもきくわけがなく、彼女はクローゼットからわたしの夏服を勝手に取り出し、今に至った。
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