わたしの意地悪な弟
「おはよう。やっぱり日和ちゃん来たんだね」

 利香は日和をみて、苦笑いを浮かべた。

 利香にも写真のことを伝えると、彼女も協力すると言ってくれたのだ。

 もっとも恵美とのやり取りを黙っていたことは怒られたけども。

「お姉ちゃんたちが困っているんだもん。放っておけないでしょう」

「まあね。でも、日和ちゃんも本当にお姉ちゃん子だよね。樹君には負けるけど」

「違うって。お姉ちゃん、ぼーっとしているから放っておけないだけだよ」

 日和は否定するが、利香は含みのある笑みを浮かべていた。


 わたしたちは学校に到着すると一息つく。

 学校が始まる一時間ほど前で、まだほとんど人気がない。

「わたしと利香さんは門のところを見張っているから、お姉ちゃんたちは昇降口のところででも待っていてよ」

「大丈夫なの? わたしたちも門のところで待つよ」

「大丈夫。携帯は音を切っておいてね。彼女を見かけたらメールするよ」
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