わたしの意地悪な弟
靴箱の傍にある掲示板に立っていた人を見て、どきりと息を呑む。
そこに立っていたのは田中恵美だ。
彼女はあごに手を当てると、鞄を開け、透明なクリアファイルを取りだしたのだ。
それに挟んであったのは光沢のある用紙に印刷された写真のようなもので、彼女はそれを掲示板の隅に刺してあった画鋲で丁寧に貼っていく。
はっきりとは見えないが、日和の話の影響なのか、それをわたしと樹の写真なのだと確信していた。
わたしが樹を見ると、彼は頷いた。
わたしは彼女のところまで忍び足で近寄り、写真を確認した。
彼女は振り返り、わたしを視界に収めると顔を引きつらせた。
わたしは彼女の腕をつかんだ。
「あなたが家のポストにこの写真を入れたんだよね」
彼女の顔が引きつっていた。
彼女は手にしていた写真を引くと、くしゃっと丸めポケットの中に入れた。
「そんなの知らない。言いがかりよ」
「もう二度とこんなことしないで。写真も返して」
「だから、知らないと言っているでしょう」
そこに立っていたのは田中恵美だ。
彼女はあごに手を当てると、鞄を開け、透明なクリアファイルを取りだしたのだ。
それに挟んであったのは光沢のある用紙に印刷された写真のようなもので、彼女はそれを掲示板の隅に刺してあった画鋲で丁寧に貼っていく。
はっきりとは見えないが、日和の話の影響なのか、それをわたしと樹の写真なのだと確信していた。
わたしが樹を見ると、彼は頷いた。
わたしは彼女のところまで忍び足で近寄り、写真を確認した。
彼女は振り返り、わたしを視界に収めると顔を引きつらせた。
わたしは彼女の腕をつかんだ。
「あなたが家のポストにこの写真を入れたんだよね」
彼女の顔が引きつっていた。
彼女は手にしていた写真を引くと、くしゃっと丸めポケットの中に入れた。
「そんなの知らない。言いがかりよ」
「もう二度とこんなことしないで。写真も返して」
「だから、知らないと言っているでしょう」