わたしの意地悪な弟
日和の手にはあの写真が握られている。
家に入っていたものはおいてきたので、別の場所にも貼り付けていたのを見つけたのだろう。
「わたしが貼った証拠がどこにあるの?」
「わたし、二十分前から利香さんと一緒に掲示板の近くの木陰に隠れていたんだよね。で、ここに掲示板に写真を張るあなたの姿をばっちり動画で映しておいたんだ」
日和はにやにやと笑うとスマホを差し出した。
そして、動画を再生し始める。
それは学校の掲示板に何かをしている恵美の後ろ姿だった。
恵美の表情がさっと青ざめる。
「ちょっと何勝手に撮ってんのよ。けしなさいよ」
「あなたがそんなこと言えた義理なんだ。勝手に人の家にあんなもの入れてさ。あなたが手にしている写真を消せば、考えてあげる」
「卑怯」
「あなただけには言われたくないな」
恵美が写真を消そうとすると、日和はその動作をとめさせる。
自分の携帯を樹に渡した。
家に入っていたものはおいてきたので、別の場所にも貼り付けていたのを見つけたのだろう。
「わたしが貼った証拠がどこにあるの?」
「わたし、二十分前から利香さんと一緒に掲示板の近くの木陰に隠れていたんだよね。で、ここに掲示板に写真を張るあなたの姿をばっちり動画で映しておいたんだ」
日和はにやにやと笑うとスマホを差し出した。
そして、動画を再生し始める。
それは学校の掲示板に何かをしている恵美の後ろ姿だった。
恵美の表情がさっと青ざめる。
「ちょっと何勝手に撮ってんのよ。けしなさいよ」
「あなたがそんなこと言えた義理なんだ。勝手に人の家にあんなもの入れてさ。あなたが手にしている写真を消せば、考えてあげる」
「卑怯」
「あなただけには言われたくないな」
恵美が写真を消そうとすると、日和はその動作をとめさせる。
自分の携帯を樹に渡した。