社内恋愛症候群~クールな上司と焦れ甘カンケイ~

一度離れた唇がもう一度ふさがれた。さっきみたいに探るようなキスからはじまらずに、最初から私を陥落させるのが目的のような激しいキスに、翻弄された。

ギュッとしがみついた私を彼が逞しい腕で支えてくれる。

「わかった?」

唇が離れて息を乱す私の耳元で、彼が熱のこもった声で呟く。熱い吐息が耳にかかり私は思わず体をビクッとさせる。

「……甘いです」

とっても甘い。甘すぎるくらいのキスだ。

「そうだろう? でも知ってたか? 朔乃の方が甘いって。だからもっと食べさせて」

「……きゃぁ」

ぐらりと体が傾いた。衣川課長が私を抱きあげたのだ。

「お、重いデスから下ろしてください」

私は慌てて下りようとしたけれど、それを許してはくれない。

「下りたいなら……俺のこと、名前で呼んで。いつまでも衣川課長じゃ寂しいだろ?」

私をチラリとみて、すぐに歩き出してしまう。行き先は寝室だ。

「でも、あの……」

これまで知り合ってずっと“衣川課長”って呼んできた。いきなり名前で呼ぶなんて……。

私が迷っているうちに、すでに寝室に到着していた。彼は私を膝に乗せてベッドに腰かけた。

「ほら、要って呼んで」

背後から両手を回されて、抱きしめられたままねだられる。

私は覚悟を決めて「要さん……」と呟くような小さな声で彼の名前を呼んだ。
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