社内恋愛症候群~クールな上司と焦れ甘カンケイ~
はぁっとため息をつくと、貴和子さんがワイングラスを傾けた。
「ここで、とやかく言っても彼の気持ちは彼にしかわからないからね」
恋の結果は出ていしまっているのだ。今さら衣川課長の気持ちを想像してもなにも変わらない。
「そうですね! そうだ、今度コンパ行かない? 新しい出会いを求めるのもいいと思う。貴和子さんも一緒にどうですか?」
「私はパス……そういうのに付き合う元気がないのよ」
「ええっ! 朔ちゃんは行くよね?」
本当はそんな気分には到底慣れない。けれど、汐里さんが気を遣っていってくれているのもわかる。
「たまにはいいかもしれないですね。こういうことがない限り行かないでしょうし」
一歩ずつ、少しずつ、気持ちを整理していかなければならない。そしていつか、自慢の部下として衣川課長に認めてもらえるようになりたいと、その日私は気持ちを新たにした。