社内恋愛症候群~イジワル同期の甘い素顔~
「思ってたより、綺麗にしてるね」

「あぁ、まあな。ちなみになんか変な誤解してるみたいだから言っとくけど、この部屋に女を入れたのは、お前が初めてだからな」

どうどうと嘘をつく成瀬の言葉にイラッとした。

「嘘なんかつかなくていいし。実際にここで会ってるのに」

私のイライラした言葉に「はぁ」とため息をついた成瀬は、棚の上に置いてあった写真立てを手に取り、私の隣に座った。

「これ」

成瀬が私に見えるようにそれを差し出した。

「お前が会ったのって、コイツだろう?」

「うん……えっ!」

手渡されたのは結婚式の写真だった。そしてウェディングドレスを来て真ん中でほほ笑んでいるのは、このあいだここで会った女性だ。ドレス姿なので雰囲気は違うけれど、間違いない。

「まさか……人妻だったなんて」

本当は好きだったのに、別の人と結婚してしまったってこと? そして今でも関係が続いているってこと?

じゃあ、私への告白はなんだったの? あのキスは……? 全部彼女の代わり?

嫌なことがどんどん頭の中に浮かんできて、ショックで胸が苦しくなる。

胸がギュッと絞られるようだ。成瀬は私のことを好きだと言ったけれど、誰かの代わりなんて私には無理だ。
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