社内恋愛症候群~イジワル同期の甘い素顔~
「おい……滝本、おい」

「あ、うん……」

自分の想像に打ちのめされて、まともな返事ができないでいた私の肩を成瀬が揺すっていた。

「なぁ、お前これ見てもまだ俺のこと、信用できないのか?」

「だって、これ成瀬の好きだった人でしょう?」

私の問い掛けに、成瀬の顔が嫌そうに歪んだ。

「マジでやめてくれ……気持ち悪い」

「そんな、だって」

「それ、姉貴だから! マジで変な想像するのやめてくれよ」

「へ? おねーさん?」

自分の考えていたことと、全く違う答えを聞かされて戸惑う私に成瀬は話を続けた。

「そうだよ、姉貴。ちなみにこっちが親父でこっちは母親。全員同じ顔だろ? すぐに気づくと思ったのに」

指差された写真をもう一度よく見てみる。さっきは気がつかなかったけれど、確かに全員顔がよく似ている。

補足するように、成瀬が話を続けた。

「アイツ結婚したはいいけど、旦那と喧嘩するとすぐにここに来るんだよ。実家だと大袈裟な話になるからって……。で、旦那が迎えに来るまでここに篭城するわけ」

「はぁ……」

「姉貴は、女じゃないからな。アイツはモンスターだ。この間だって酔いつぶれた家主の俺を玄関で放置したんだからな」

そういう事情だったの? じゃあ勝手に誤解してしまった私が悪かったってこと?
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