社内恋愛症候群~イジワル同期の甘い素顔~
翌日。私はなんとか気持ちを落ち着かせて朔ちゃんとの待ち合わせのイタリアンレストランへと向かった。

私が店内に入って待つこと数分で、朔ちゃんが店内に入ってきた。

「朔ちゃん! こっち、こっち」

私を見つけて朔ちゃんが、急いだ様子でテーブルにかけてきた。

「すみません、お待たせして」

「気にしないで。電車の都合で早く着いただけだから」

私は、向かいの椅子に座った朔ちゃんをじっと見つめてしまう。今日これから私の話を聞いてもらうんだけど、どんな反応するかな?

成瀬のことを相談する以上は、私が成瀬のことを好きだってことを話さなくちゃいけないんだろうけど、どう思うかな?

なにも話さずに見つめたままの私を朔ちゃんは不思議そうに見つめ返してきた。

「あの、どうかしましたか?」

「ううん……何でもない」

とりあえず相談するにしても、注文が先だ。

私たちは“ふたりで食べるチーズフォンデュ&パスタランチ”を注文した。

この店はメインを注文すると、前菜とデザート、ドリンクやパンはバイキング形式になっている。

雑誌でみつけたとき、平日のランチでは時間的に無理だから休日に来ようと思ってチェックしていたお店だ。
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